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Case 01

遺品整理で見つけた母のお気に入りバッグ

S様
2024年11月納品
修理内容:表面キズ修理/表面色修正/
持ち手修理/内装交換

修理前

修理前の状態。表面に汚れやキズがあり、持ち手が切れていました。

写真にも写っていた思い出のバッグ

実母が春に亡くなり、遺品整理をしている時にこのバッグを見つけました。 他にもオーストリッチのバッグがありましたが、 デザインが年配者向けで魅力を感じませんでした。 しかしこのバッグは可愛らしい上品なフォルムで、 今はあまり見掛けない程よいレトロ感も感じられて気に入りました。 母の晩年は認知症と老年で入院した上に、 コロナ渦であったため出かけることもありませんでしたが、 若いころは家族で旅行などよく出かけていました。 まだ若く元気だった母の写真にこのバッグが写っています。

修理後

どんなブランドバッグも勝てない

遺品を整理していくなかで、いくつかの物は置いておこうと思っていました。 その中にこのバッグがありました。 しかし持ち手がちぎれ、内側も劣化してボロボロ。 使える状態ではなかったのですが、 作りはしっかりしていましたし、母のお気に入りで大事に持っていたのだろうと想像できました。どうしても処分できず壊れたまま置いていたところ三越からの案内でキヌガワさんを知ることになります。
直す箇所も多く高額になることは分かっていました。 その分で新しいブランドバッグを購入した方がいいかもと思いましたし、 実際いくつかのブランドを回って見てきました。 しかしよくよく考えてみますと、どんなブランドバッグを買ったとしても母の古いバッグには絶対に勝てないなぁと思ったのです。
「お母さん、バッグを直して私が使いますよ。 私にくださいね。 バッグと一緒にお母さんもお出かけできますね。」 という気持ちでした。
余談になりますが、 修理のために三越でキヌガワさんに見ていただいている時に「小さなポケットに何か入っていますよ。」と見つけてくださったのが、 母が購入した時の三越のタグでした。 何か不思議な縁を感じました。

内装交換

いいところはそのままに、新しく生まれ変わりました

バッグの内側の色に悩んで、お願いした後に再度相談させていただきました。 そこでアドバイスも頂けたので、納得してお願いすることができました。
外も中の色もイメージ通りの仕上がりで大満足でした。 また、 ポケットに小さな金具がついていたのですが布を借り換える際に、その金具を使ってくださっていました。
できるだけ元の形に近づけてくださる優しさと誠意を感じました。留め金もそのまま使っていただき、しっかりした開閉で安定感があります。一度ばらして、縫い目に沿ってもう一度縫うと伺っていましたがその縫製技術も見事でした。
あんなにボロボロだったバッグが、いいところはそのままに、そして新しく生まれ変わりました。
キヌガワさんにお願いして良かったと感謝しています。

修理後

母と一緒に出かけるような気持ちです

歌舞伎と大相撲を見に行く予定があるのでその時に使用するつもりです。
母も歌舞伎を見ていたようです。一緒に出かけるような気持ちです。晩年どこにも出かけられなかったこともあり、喜ぶのではないでしょうか。

スタッフより

スタッフより

キズや劣化はありましたが、長くご愛用されていたことが伝わる品でした。
元々の貴重な部品を極力生かし、表面もできるだけ元のイメージを損なわない再生を心がけました。
内装交換の際はお色を一新。華やかで新しい持ち主様にぴったりのバッグに仕上がりました。

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